カルピス子供劇場は名作ぞろいでしたが、なかでもアルプスの少女ハイジは出てくる食べ物がおいしいそうなことでも秀逸でしたね。アルムの森の小屋でおじいさんがチーズを暖炉であぶって、とろけそうになったところをスライスしたパンに載せてました。あのあつあつのところをハイジがかぶりつく場面を見て、私は身もだえしましたね。そのほかにも木のボールで、かーっと飲む山羊の乳、ペーターが牧場で食べるお弁当、干し肉などなど。ものすごく憧れましたが子供心にも野菜不足を心配したものです。

子供の頃あこがれた食べ物はこの他、ぐりとぐらのかすてら(フライパンで!)。ちびくろサンボのトラが溶けてできたバターでつくったホットケーキ。トムとジェリーとかに出てくる穴のあいたチーズ。キャンディキャンディでキャンディがエルロイ大おばさまのためにつくったライラックのパイ。はじめ人間ギャートルズのマンモスの肉は塩もなさそうだし、味付けしないのか心配しました。

そしてみんなも絶対あこがれたはずの食べ物は、日本人なら誰でもイメージできると言っても過言ではない『ハイジの白パン』。ペーターのおばあさんに食べさせてあげたくて、たくさんクロゼットに貯めていたあの白パン(あのクロゼットもあこがれましたね)。あれはBrotchenのことだと思います。外側はかりっと固いんですよね。おばあさんには固いかも。ドイツではルームメートが朝、焼きたてのを買ってきて一緒に食べた思い出のパン。朝焼きたてのBrotchenはほんとにおいしい。

パンのレシピを検索すると、日本人のハイジの白パンに対する憧れがいかに強いかよくわかります。しかしなぜか日本人がイメージして作ったレシピはドイツのパンとは似て非なるもの。でもね、日本人にとっておいしいパンとはやっぱりふわふわ、もっちりの真っ白なパンなんではないでしょうか。というわけで、ふわふわの白パンなるものを作りました。参考にしたレシピはこちら

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生焼けみたいだけど生焼けじゃないのよ!ほんとにふわふわです。アルムの山でおじいさんと食べてたどっしりと重い、色も黒っぽいパンに慣れていたハイジがフランクフルトで衝撃をうけたパンは、やっぱりイメージ的に、こういう日本のパンが正解!