同僚のお別れ会で、シャングリラホテルのなだ万でランチをした。全員ミニ懐石40ドル+サービス料(約3600円)をオーダー。さすがなだ万!すばらしいお味。薄味なのに出汁がしっかり効いていて、素材の組み合わせも見事。

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先付:
蟹身と菊菜浸し(菊花 揚げスルメ)(写真右)
落花生豆腐(鼈甲餡 山葵)(写真左)

まったりとした落花生豆腐は餡の味付けが絶妙。とび子と山葵がすばらしいアクセントに。菊菜浸しもあっさり上品なお味。その後を大いに期待させ、わくわくさせるような先付。



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吸物:
帆立真丈(湿地 鶴菜 紅葉野菜 柚子)

帆立真丈はとてもていねいに作られていて、しっかり帆立の味わい。柚子の香りのお吸物はさわやかな後味。日本人に生まれてよかった!


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造り
二種盛り合わせ (土佐醤油 あしらい)

マグロとハマチ。ここのお寿司はおいしくないらしいが、ハマチのお刺身は脂がのっていてなかなかのもの。小ぶりの紫蘇やエディブルフラワーなど、盛り付けも気合十分。


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煮物
野菜飛竜頭 (海老鋳込み 共地餡 晒し葱 芥子)

なだ万はやはりすごかったとひれ伏したくなる一品。海老や銀杏がぶつぶつ入っていて、餡のお味がこれまたうなるような旨さ。和食は出汁が命だと実感。芥子と晒し葱がこってりとした飛竜頭のアクセントにぴったり。


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焼物
秋鯖西京焼き (玉子焼き 丸十檸檬煮 芽生姜)

なだ万だと脂ののった鯖もしっとりとここまで上品に。玉子焼き(葉の後ろに隠れている)は関西らしく甘くないだし巻き。サツマイモの檸檬煮もほっこりとおいしい。鰹節をまぶして甘辛く煮絡めた胡桃になだ万の底力を見る。


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食事 栗五目炊き込み
止椀 田舎味噌汁
香の物 盛り合わせ

唯一残念だったのがこの炊き込みご飯。ご飯が日本製でないことがわかってしまう。しめじや栗が入ったいかにも秋の炊き込みだっただけに惜しい。きゅうりは浅漬け。できればぬかづけにしてほしかった。柴漬けがたっぷり付いているのがうれしい。田舎味噌汁は豆腐とわかめ入り。


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デザート
きなこムース (ぎゅうひ 甘納豆 黒蜜掛け)

メニューを見た限りまったく期待していなかったのに、感激のおいしさ。ムースというよりはブラマンジェのようなまったりとした口当たりなのに重くなく、黒蜜も上品な甘さ。添えられたシロップ漬けのイチゴも好相性。

さすがなだ万。プロの仕事とはこういうことをいうのか。ひさしぶりに一口一口心から幸せを味わった。最後の一口まで飽きずに本当に食べてしまうのが惜しいような、そんな食事は和食、しかも懐石でしかありえない。注ぎ足してくれるお茶も濃すぎたり薄すぎたりすることがなく、いつも本当においしかった。これはすごいことだ(森田屋ではありえない)。ここを教えてくれたS先生に心から感謝。味のわかる人とぜひまたリピートしたい。