この教室に参加すると、実際に機織をしてランチョンマットぐらいの大きさの織物を織ることができます。気分はまさに鶴の恩返し。ぎー、ばったん、ぎー、ばったんと、つうになった気分です。よひょう、絶対私が機をおるところを見てはなりませぬ。3日3晩、徹夜ですよ!しかしやってみて初めてわかりましたが反物一反織るには相当時間がかかりますよ。さすがつう。尊敬します。

機を織るといっても通訳の人と、もう一人の女性が両脇につきっきりになってくれるので、手取り足取り、ずーっと見ていて間違ったらやりなおしてくれます。

それなのに!むずかしいっ!!足は右左とペダルを踏み替えながら、手は糸を右から左、左から右に渡し、そのたびにぱたんぱたんと糸をきつく重ねていきます。10cm織るのに1時間くらいかかったでしょうか。20cm織れたところで模様が入ります。この模様をつくるのには別の女性が登場。恐ろしいスピードで、なにやら縦糸を操作しています。これはまさにコンピュータのプログラミングです。

彼女の頭の中には縦糸をどこでどうしてどうやったらその模様になるか、全てプログラミングされています。お手本とかマニュアルはなく、手が全て覚えています。そしてそのようにプログラムされた機に、また横糸を渡していくと、本当に模様が浮き出てくるのです。すごい!すごすぎます!!

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この地模様はよく見るパターンですが、簡単ではありません(私には)。どこでどう向きが変わるのか、すべて頭の中に入っていて、それを縦糸にしかけておいて、あとは横糸を渡していけば模様ができるようになっているのです。私には何が起こっているのかさっぱりわかりません。

そもそもコンピュータの起源はオルゴール。あのところどころ穴のあいたパンチングシートがもとになっているそうです。そしてそのパンチングシートの起源はこの機織機。縦糸をいくつかつまんだところに横糸が入って、模様を作るわけです。つまり機織機こそコンピュータのルーツなのです。

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たまにパターンらしき図が紙に描いてあるのを見ましたが、ほとんどの女性は何も見ず、おしゃべりなどしながらものすごく複雑な作業をしています。恐るべしです。continuous patternは一番上の写真のパターンように縦糸をプログラミングしておいて、同じ糸で繰り返し模様をだすものです。discontinuous patternと呼ばれるのはほとんど刺繍のような感じで一段一段、一色ごとに、少しずつ模様を別糸で入れていくのでそれはそれは手間がかかります。

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都市の女性はいざ知らず、ラオスの村に住んでいる女性はほぼ全員機を織れるそうです。これはすごいことだと思いました。



お恥ずかしいかぎりの完成品。端がぐちゃっとしてます。糸を返すときに引きすぎたりゆるすぎたりしているせいです。これを織るのに4時間近くかかりました。午後ずーっと織り続け、休憩もなかったので終わったときはぐったりしていました。頭と体を同時に使い続けていたので無理はありません。町に戻ってからコーヒー屋に走ったのは言うまでもありません。

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この教室の体験から、いっそう織物のありがたみがわかるようになりました。複雑な模様なんか見るとひれ伏したくなります。下手に値切ろうなんて思えません。